八方美人な集客が命取りに! 「鉄の道」プロジェクトの事例

全国のローカル鉄道とその近隣の酒蔵を切り口に地域活性化を行う「鉄の道」プロジェクトが、6月20日に地域の現状や課題などを話すトークイベントを開催するようです。

①6/20トークイベント「ローカル鉄道のために、僕たちには何ができるだろう」(南阿蘇鉄道の現状と、あまり表に出ない大きな課題も報告)(PR TIMES)
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000019072.html

この「鉄の道」プロジェクトは、「日本各地へ旅し、美味しいものとお酒を楽しみ、美しい風景や気持ちのいいことを楽しむ」旅のために、ローカル鉄道をその手段として活用してこうとするものです。

鉄道を地域観光の目的ではなく、手段として捉えていることが、このプロジェクトの特徴だと思われます。「各地への観光や旅をするための手段としてのローカル鉄道」として地域の資源を位置づけられているので、鉄道目的(鉄道ファン等)以外の客をターゲットにしているのだなと理解することができました。

しかし、、、こうしたマーケティング的な観点から改めてこのトークイベントを取り上げてみると、「鉄の道」プロジェクトが設定している目的やターゲットとの乖離が見られました。HPでは、「ローカル鉄道を目的でなく手段として集客を行う」ということを謳っているのにもかかわらず、今回のトークイベントは「ローカル鉄道のために、僕たちは何ができるだろう」というイベント名を設定し、鉄道を目的としたニュアンスで集客をかけています。このターゲットのブレは、「観光客を地域に呼び込みたい」「でも鉄道ファンからも支持されたい」といった、集客に対しての欲の現れではないでしょうか。こうした八方美人な集客は、マーケティングでありがちな罠なので注意する必要があります。

こちらの記事でも、ターゲットを絞ることの重要性について書かれていますので、ぜひご覧ください。
ターゲットのブレがないような地域活性化事業を行っていきたいですね。

「地域活性」とは競争です。

その競争を勝ち抜くために意識すべきことを、マーケティングの視点を入れつつケーススタディにて考察しています。