高知県が開催している「高知家の家族会議」が、高知県独自の幸福度指標「GKH(Gross Kochi Happiness)」を公開しています。日頃の暮らしに根付いた部分を重要視していることがこれまでの幸福度指標の中でも特徴的であるそうです。
「地域愛着」や「おいしい食材」 高知県の幸福度指標を発表(高知新聞)
http://www.kochinews.co.jp/article/53370/
新聞記事によると、高知県の事例ではこのようなものが指標になっているとのことです。
・家族や他人との関係
・防犯・防災
・ワークライフバランスややりがい
・地域・親子でのコミュニケーション
・自然や通勤時間
・地域への愛着
・高知への愛着
幸福度というものを数字で算出できるようにすることによって、目的が達成できているか、そのための手段が適切であるか、ということを測定することが可能になります。
以下、こういった指標を作る、ということを考える時に留意しなくてはならないと思われる点をいくつか紹介いたします。
・自治体のブランドそのものを表象するものとして作成する
自治体独自の幸福度を示す場合、「この自治体に住んだら、このような部分が満たされることになります」、「このような部分を、自治体は応援します」、というような強いメッセージを発信するためのツールになるように思います。(だから、高知県の場合、経済的利益は必ずしも重要視されていないのでしょう)
自分の自治体に住んでいる人々が、どのような状態になるべきなのか、という部分を意識した上で、幸福度を設計していくことが求められます。
一方で、「どのような状態が幸せか」ということを定義することは非常に難しいことで、それ自体が政治的なことのように思います。「幸福度」概念を恣意的に作りすぎる(自分の自治体に住んでいる住民が、幸福であるという数値が出るような項目を多数追加するなど)ことは実際のひとりひとりが考える幸福を達成することを考える上では難しいことのように思います。
・あまりにも経済的利益を外した幸福度を構築するのは危険
「幸福度」という概念そのものが、「お金はあるけど、好きなことはできない、ただ働いているだけ」という状態へのアンチテーゼとなっているのは理解できます。
しかし、その上でも、「文化的でゆとりのある生活」を達成することを考える上では、県民の所得や物価を加味した上での所得などは考慮されてしかるべきでしょう。
地域活性化においても経済的指標を無視してしまうのは危険なことです。これらの記事も参考になるかと思います。
「地域活性」とは競争です。
その競争を勝ち抜くために意識すべきことを、マーケティングの視点を入れつつケーススタディにて考察しています。