「納涼ビール列車」「どぶろく列車」が企画される 地域活性化にどのようにつなげるか? 高知県の事例

高知県の土佐くろしお鉄道で、「納涼ビール列車」「どぶろく列車」の運行が企画されています。往復約2時間ほどの区間でビール・どぶろくが提供されるのに加えて、弁当も出されます。どのように今後継続していき、地域の収入増に貢献できるか、という部分において注目すべき事例だと思います。

高知県の土佐くろしお鉄道「納涼ビール列車」「どぶろく列車」(高知新聞)
https://www.kochinews.co.jp/article/42823/

地方の電鉄会社が経営難の傾向が見られる中、こういった取り組みは全国的に見られるようになってきているように思います。この事例の場合は、対象路線や開催時期を踏まえると観光客相手というよりも、沿線住民を対象とした取り組みであることが想定されます。

その上で、地域活性化を「酒を飲んで、わいわい盛り上がること」ではなく、「地域への収入を増大させること」と捉えれば、考えていかなくてはならない部分がいくつかあるように思います。

3つのポイントで解体! 経産省「地域ストーリー作り研究会」報告書


(詳しくはこちらの記事をご覧ください。)

いくつか指摘できる部分を挙げるとするならば、「地域への収入を増やすことを考えるのであれば、より地域で作られた価値が消費される必要があること(=大手メーカー製造のビールで良いのか)・持ち込み許可をどのように考えるべきか」という部分が挙げられるでしょう。

鉄道会社としてこの取り組みで利益を上げていくことを考えると、「恒例行事」として毎年続けていくこと、自由にわいわい盛り上がることができる環境を作ることなどは重要であると考えます。

地ビール・クラフトビールのマーケティングについては、こちらの記事で詳細に論じています。どうぞご覧ください。

クラフトビールのマーケティングにおける特殊性

「地域活性」とは競争です。

その競争を勝ち抜くために意識すべきことを、マーケティングの視点を入れつつケーススタディにて考察しています。