湯沢市の副市長が、観光名所等をラップで紹介するPR動画が動画サイトなどで人気を集めています。岩手日報はこのような取り組みを、「高齢化や人口減少に悩む地域の活性化に一役買っている」と評価していますが、地域活性化への貢献手段としてラップによる情報発信は有用な取り組みと言えるのでしょうか?
副市長、ラップで湯沢をPR キャリア官僚が一役(岩手日報)
https://www.iwate-np.co.jp/newspack/cgi-bin/newspack_c.cgi?c_lifestyle_l+CO2016081701001021_1
PRを実施するときに考えるべき「基本のキ」として、「誰に」、「何を」伝えたいか、ということを熟考した上で、「どのように」伝えるかを考える、という考え方があります。
今日様々なPRが行われており、「どのように」伝えられているか(演出や音楽に乗せた伝達などの部分)、の部分にフォーカスが当てられた上でもてはやされる傾向がありますが、最も重要な部分は、「どのように」伝えられているか、の部分が、適切な「誰に」、「何を」伝えたいか、に基づいているか、という部分でしょう。
(この記事で議論しています。)
ラップを利用する、ということを考える上で、考慮しなくてはならない点をここでは2点挙げてみます。
・ラップという伝達方法で伝えられることによって、観光地・特産品に「楽しそう」、「若い」、「面白い」、あるいは「軽薄だ」というイメージをもたれることは適切なのか?
・動画サイトでPR動画を見た人は、地域活性化(地域への収入を継続的に増大させることを指します)に貢献してくれるのか?面白そうだから見た、行動はしない、ということにはならないのか?
(地域ブランドのストーリーについてはこちらで説明しています。)
新聞では、地域活性化の成功事例として挙げられているようですが、この取り組みが地域活性化の成功に貢献しているのか、失敗しているのか、ということを断言することは容易ではないと思います。
「地域活性」とは競争です。
その競争を勝ち抜くために意識すべきことを、マーケティングの視点を入れつつケーススタディにて考察しています。