九州旅行の半額助成を検討 観光客を増やそうという取り組み

政府は、被災地への観光客増加を目的として、熊本地震関連の補正予算を用いて、旅行代金の半額補助を行う方針です。割引率については、「熊本、大分両県は7~9月が50%、10~12月が25%。福岡、佐賀、長崎、宮崎、鹿児島の各県は7~9月が20%、10~12月が10%(同ニュース内より引用)」となるようです。

九州旅行、最大で半額補助 観光復興へ支援(日刊スポーツ)
http://www.nikkansports.com/general/news/1655922.html

通助では、東日本大震災後、東北において「半額旅行券政策」が横行したことに関して、1.必ずしも大きな収入を生まないこと、2.ブランド毀損につながる可能性が高いこと、という2点から絶対にやめるべきである、という主張を行っています。

【福島・宮城・岩手】旅行代金半額補助:止めるべきだねというお話(追記2箇所あり)

地域が危機に陥るたびに半額旅券の話題が持ち上がる今日この頃です。これを行ってしまうことによって「観光客数」が増えたとしても、観光客に「安いから九州に来た」という発想を生み出してしまい、結局地域が得られる「収入」が減ってしまうということ、そして来年以降、「今年は半額にならないんですか」ということを言われてしまう(つまり、九州旅行の価値が逓減してしまっている)、ということから避ける方が賢明ではないかと思います。

九州の場合は被災によって全国的に注目が集まり、「今度行ってみたいな」と多くの消費者に認知されていることでしょう。余震が相次ぐ時期に観光地の予約をキャンセルする、ということが相次いでおり焦りを感じることは理解できます。しかし、一連の地震活動が収束してきていると認知されつつある今、人々は今夏以降の九州旅行を考えているところだとも言えるでしょう。

そのタイミングで廉売をしてしまい、地域への収入を下げる(観光客が増えた理由は、半額助成なのか、それとも何もせずとも増える素地はあったのか、ということは必ずしも明確とは言えない)ということは良いこととは言えないように思います。

「地域活性」とは競争です。

その競争を勝ち抜くために意識すべきことを、マーケティングの視点を入れつつケーススタディにて考察しています。