札幌市のホテル「センチュリーロイヤルホテル」が、外国人観光客向けに「和食体験教室」をスタートさせるようです。体験教室の第1回目のテーマは「出汁」です。
和食の心「出汁」取りに海外観光客が熱視線 札幌のホテルで教室(The PAGE)
http://thepage.jp/detail/20160208-00000010-wordleaf
このようなややニッチな外国人向け体験教室の開催ニュースですが、面白い取り組みのひとつなのではないか、と思っています。その理由は以下の2点です。
1点目は、ニッチな外国人観光客のニーズに応えられる点です。和食に注目が集まる中、実際に和食の「職人技」に触れてみたい、と考える外国人観光客は、少数だとしても存在していることが考えられます。そういった「ニッチで強いニーズ」をインターネットなどの自社メディアで発信し集客していくということは、これからの観光産業や、地域での地域資源の発掘を考える上で、非常に重要なことだと思います。少数でもいいから、それに大きな金銭的・時間的コストを払ってもいいと考える人をターゲット化としていくということです。
2点目は、顧客単価の増加が見込まれる点です。単にホテルに宿泊する観光客と、体験教室に参加する観光客では、顧客単価が変わってくることが容易に想像できます。地域活性化を考える上で、入手できる「お金」の量に言及すると、冷たい目で見られることがしばしばあるのですが、本当に持続的で独立的な地域活性化を考えるのであれば、収益に関する言及は間違いなく必要でしょう。多くお金を得られるということは、それだけ顧客に価値を評価されているということでもあるのです。
これらの2点は、「観光入込客数」にはあらわれない数値です。ですが、確実にホテルや地域への収入につながる、(=地域活性化につながる)という点で、非常に面白い事例であると思いました。地域の活性化を考える上では、こういった「入込客数」に拘泥されない広い視野を持つ必要があると感じています。
観光入込客数に拘泥されるべきでないならば、観光効果の測定は何によってなされるべきなのでしょうか?それについてはこちらの記事で詳しく述べています。
3つのポイントで解体! 経産省「地域ストーリー作り研究会」報告書
「地域活性」とは競争です。
その競争を勝ち抜くために意識すべきことを、マーケティングの視点を入れつつケーススタディにて考察しています。