SLを利用した沿線地域の活性化計画が浮上 新潟県/長野県の事例

JR飯山線の沿線地域活性化協議会が、同線にSLを走らせる計画を発表しました。北陸新幹線ーSLー上越新幹線、という乗り継ぎが可能になることが、鉄道ファンの間で話題になり、沿線地域が活性化されることを期待しているようです。

今秋運行へ 飯山−長岡間100キロ 沿線活性化協、鉄道ファン誘客 /新潟(毎日新聞)
http://mainichi.jp/articles/20160107/ddl/k15/040/166000c

鉄道を利用した地域活性化を考える際に、鉄道の利用者を増やすことだけではなく、「地域に落ちるお金を増やす」という部分を絶対に意識しなければなりません。そうでなければ、JR東日本の利益になるだけで、地域に利益がもたらされずに終わってしまいます。「新幹線とSL」という組み合わせには魅力があると思いますが、「観光客をいかに鉄道から降ろすか」、そして「いかに消費額を増やすか」という部分を特に考える必要があるといえるでしょう。

今秋の実施に向けて、沿線自治体が取り組むべきことはこのことです。例えばコアな鉄道ファンが訪れることを仮定して、「宿泊しなければ行けないが、とても良い写真が撮れる写真スポット」を考えてみる、といったことが重要になると考えます。

通助ではしばしば、「地域活性化は競争です」ということを述べています。SLを観光資源化したら「すべての沿線地域」が儲かるわけではないこと、(残念なことですが)必ず沿線地域との客の奪い合いになること、は理解しておくべきことだと思います。その中で、「安さ」をアピールして誘客するのではなく、「価値」をアピールして誘客ができるか。本当に地域活性化を考える、ということはこういったことであると思います。

「地域活性」とは競争です。

その競争を勝ち抜くために意識すべきことを、マーケティングの視点を入れつつケーススタディにて考察しています。