【2015年12月】地域活性化×マーケティングの視点で知っておくべき事例3つ

2015年も終わりが近づいてきましたね。今回の記事は「ふりかえり事例紹介地域活性化ニュース」と称しまして、12月中に取り上げてきました地域活性化ニュースの事例の中で、地域活性化とマーケティング・ブランディングの観点から興味深い事例・学ぶべき事例を「3つだけ」に厳選して紹介していきたいと思います。

  1. ゲームとのコラボレーションで地域活性化を目指す試み 全国で盛んに
  2. https://tsu-suke.jp/news/3697

    この記事では山梨県甲府市の事例・佐賀県呼子町の事例など、多数の事例が紹介されています。観光社会学などの分野において、地域活性化の成功例としてアニメ・ゲームを利用した事例を取り上げる動きが盛んになっていますが、こういった動きを受けた結果かもしれません。

    通助はこういった取り組みに対しては、「域内調達率」(説明はこちら)を最大化できるように動線を作成しなければ、ただコンテンツ側に利用されてしまうだけになってしまいますよ、ということを述べてきています。コンテンツ側の販売チャネルのひとつとして地域が利用されてしまうだけではもったいないです。コンテンツ側の持つ魅力を「入口」として利用し、地域をより知ってもらうための取り組みにこそ、地域は尽力していくべきではないでしょうか。この事例においては、そういったところをより意識することで、より本質的に地域活性化につながる取り組みになると思います。詳しくはニュース記事をご参照ください。
     

  3. 「PR動画は結果としてその後の移住促進につながったか? 宮崎県小林市の事例
  4. https://tsu-suke.jp/news/3718

    話題になった小林市の事例に関する記事です。こういったPR動画を作ることを考えると、ついつい「バズる」動画のあり方を模索してしまいますが、PR動画は、「リーチ(動画をみた人の数)」と「動画を見た人が実社会で行動を起こす比率」の両方の指標を意識することが求められます。

    後者の指標を意識した時に重要になるのが、「少数の人にナンバーワンとして選んでもらう」ということです。これについては過去に詳しく論じていますので、こちらの記事もご覧ください。(「2位じゃダメなんでしょうか?」)小林市の事例では、コンバージョン率がどのようになっているのかがわからなければ、成功例であると安易に断定することはできません。今後に注目したい事例のひとつです。
     

  5. 除雪隊「ホワイトインパルス」が人気 観光・地域活性化資源化に期待 青森空港の事例
  6. https://tsu-suke.jp/news/3756

    これから地域活性化の成功例と呼ばれるかもしれない面白い事例のひとつだと思っています。このように、「うまくPRすれば、大きな観光資源になりうる」ような観光資源は世の中にまだまだ眠っていることでしょう。

    この事例のように、地域に眠っている価値に気づくためには、高いアンテナを張っておく必要があります。外部者としての視点も大いに求められるでしょう。そして、この資源をいかに「入込客数増だけにとらわれない観光収入増」につなげられるか、というところについても議論しなければならないでしょう。この事例も今後の展開が気になる事例のひとつですが、「入込客数増だけにとらわれない観光収入増」という部分をしっかりと意識して観光資源化を進めていかなくてはならないと思っています。今後はそこに注目したいですね。

今年の地域活性化をめぐる議論の中では、去年から引き続いて「地方消滅論」に対して様々な事例が提示されたほか、「地方への移住」や「外国人観光客」の事例が大いに話題になり、地域活性化に大きな注目が集まった一年であったと言えるでしょう。来年も地域活性化をめぐって、価値のある議論が行われること、そしてそれを通助で取り上げることができることを楽しみにしています。

来年も通助の運営会社である株式会社ホジョセンでは、地域活性化をマーケティングやブランディングの視点から考える成功例紹介、地域活性化ニュースを配信していきたいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。地域ブランドに関する無料レポートもご用意しておりますので、こちらも併せてご利用ください。良いお年をお迎えください。
地域ブランドの育成における課題〜企業におけるブランディングとの比較から〜

「地域活性」とは競争です。

その競争を勝ち抜くために意識すべきことを、マーケティングの視点を入れつつケーススタディにて考察しています。