宇和島市に本社を置いている株式会社イヌガイ・バイシクルは今年、宇和島市にスポーツ自転車に焦点を当てた店舗を開店しました。愛媛県がしまなみ海道などを筆頭としたサイクリング観光を推進する方針を打ち出していることも影響しているようです。
愛媛・宇和島に四国最大級の自転車店 地域活性化に一役 (日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/article/DGXLZO94875740X01C15A2LA0000/
サイクリングマップを作成することで地域活性化を目指すという取り組みは、その土地でサイクリングをすることが本当に魅力的なのか、ということをあまり深く考えないままに全国的に行われていることです。しかししまなみ海道のような海上の道を自転車で走り抜けることができる、という魅力はしまなみ海道でしか味わえないものであり、これらの取り組みは興味深いものです。四国最大級の自転車店が開店し、そこがコアな自転車愛好家が訪れる場所になれば、さらに面白いと思います。
今後愛媛県が取り組むべきこととして、ひとつは「コアな層に働きかけ、廉売しない」ということが挙げられると思います。例えばしまなみ海道を無料化することによって、より多くの観光客が訪れることがわかっていても、それによって海道が混んでしまうと、その分海道の魅力は減ってしまいます。その土地の魅力を高めるためには、観光客を減らすこと、値段を上げること、ということを検討していくことも重要です。
観光地の廉売についてはこちらの記事で詳しく議論しています。こちらもあわせてご覧ください。
旅行代金半額補助:止めるべきだねというお話
「地域活性」とは競争です。
その競争を勝ち抜くために意識すべきことを、マーケティングの視点を入れつつケーススタディにて考察しています。