岐阜県高山市で栽培された飛騨野菜の知名度アップを目的として飛騨エアパーク協会は、セスナ機を用いて野菜を輸送し、「新鮮野菜直送便」として関西の都市部にて販売しています。
飛騨ブランド野菜、神戸へ空輸し即販売(岐阜県)(日テレNews24)
http://www.news24.jp/nnn/news86226832.html
面白い取り組みであるとは思いますが、この取り組みが、継続的に飛騨野菜の価値を向上させることにつながっているか、ということに対しては、必ずしもそうではないのではないかと思います。問題のひとつは、「新鮮野菜直送便」が、道路を利用して日常的に小売店に届けられる野菜とは、明確に異なるものであると消費者に認知されていないかどうかです。具体的に説明すると、消費者に「飛騨野菜は美味しい、だからこれからも飛騨野菜を買おう」という感覚を与えているのではなく、「<この>飛騨野菜はとれたてだから美味しい、今度またとれたてが買える機会があったら買おう」という感覚を消費者に与えていないか、ということです。当日の売り上げだけで、成功失敗を判断するのではなく、取り組みの後、継続的に関西圏で売り上げが増えているのか、といった部分に注目していく必要があるでしょう。
通助の地域活性に対する基本的スタンス、地域活性に生活者の視点を!で述べています通り、長期的な地域活性化への取り組みには、顧客にとっての品質を上げていくことによって、価値をあげていくことしかありません。長期的・継続的な価値向上の手法を考えるツールとして、通助をご利用ください。
「地域活性」とは競争です。
その競争を勝ち抜くために意識すべきことを、マーケティングの視点を入れつつケーススタディにて考察しています。