地域ブランドにはストーリーが必要だ。こういう話をよく耳にしますし、通助で繰り返し述べてきたことでもあります。ところが、このブランドストーリー作りに苦心する自治体や企業が多いようです。その原因の 1 つとして、そもそもブランドとは何で、ブランドのストーリーとは何なのか、どういった要素が必要なのかを理解しないままに「何かしらのもの」を作ろうとしていることにあるように思います。
Articles Written By: Takayuki Takahashi
観光の目的は大きくわけて、買う、食べる、体験する、と分けられるのではないかと思います。倉敷は「体験する」に徹底的にフォーカスした非常にうまい観光戦略をとっているように感じました。
ブランドづくり(ブランディング)、と聞くと広告宣伝やロゴ、ビジュアル面の整備を思い浮かべる人が多いのではないかと思います。ですが、これだけではうまくいくことはないでしょう。
旅行に行こう、そう考えたときに人はどのようにして旅行先を決定するのでしょうか。インターネットの浸透に伴って、人の意思決定プロセスは変化していると言われていますが、単純化すると次のようなものになるのではないかと推定できます。
世界遺産である平等院や宇治上神社、美しい宇治川の流れや源氏物語の宇治十帖にまつわる散歩道など、かなり満喫したのち、宇治茶を飲んで締めようと考えていた。そして何気なく入った宇治川のほとりの喫茶室にたいへん感銘を受けた。
ブランディングの基本中の基本を地域活性を絡めてまとめ上げた本。本書で完結せずに、次へのステップを意識して読み解くと本書の価値が高まるのではないか。
島根県の亀谷窯業は、柔軟な拡大戦略で生き残っている。自分たちの持っている製品の強みを徹底的に理解し活用している好事例と言えよう。また、そこには地域企業の持つ強みも隠されている。
僕も顔を出させていただいている地域ブランド研究会の研究成果をまとめた本。同文館出版、2012年。複数執筆者による論集で、実務家の方も含めて、全員アカデミックなポジションについているものの、学者論文にありがちなコンセプチュアルな議論は少ない。