- ご当地マラソン
- 地域活性化を目的として行われるマラソンイベント。前日の宿泊や、終了後の観光などで経済効果が高いといわれているイベントのひとつとして挙げられています。
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解説
小長谷・前川編(2012)によると、篠山で毎年開催されている「篠山ABCマラソン」の経済効果が1億2219万5384円であり、市からの予算計上が200万円だそうです。大きな経済波及効果をもたらしているように思えます。
こういったこともあってか、地域活性化を目的としたご当地マラソンの開催が盛んに行われています。しかし、そこにはいくつか問題点も同時に潜んでいるので注意が必要かと思います。
- 観光収入が必ずしも大きくならないケースもある
首都圏近辺で行われるマラソン大会は、日帰りで行けてしまうことも多く、金額ベースで地域にもたらされるお金が必ずしも大きくならないケースがあるように思います。つまり立地条件によっては、通助(本ブログ)が毎回批判している「人はくるけど金は落とさない」という可能性も指摘できます。
- それゆえに多くのことに効果があるとして、マラソン大会は過剰な荷を負わされる
観光収入が大きくない、と判断されると、その大会を開催するために、「市民レクリエーション」や「市民の健康増進」といった理由が付加されます。
このように多くの役割を付加されることによって、マラソン大会は目的を見失い、どのような人々にどのようなことを行うことが重要であったのか、何を目指しているのかが不明確になるという現象が発生します。
観光収入増の一環としてマラソン大会を考えるのであれば、人ベースではなく、金額ベースでの収入増を議論する必要が有ります。また、目的が複数あることは「どっちもどっち」につながりやすいので、この点にも留意する必要があるでしょう。
参考文献
小長谷一之・前川知史編,2012,『経済効果入門 地域活性化・企画立案。政策評価のツール』,日本評論社.
より詳しく論じた記事はこちら!
(人が来ること=地域活性化ではない、ということを細かく分解しながら議論した記事です。)
(イベントの側面から、同じく人が来ること=地域活性化ではない、ということを議論した記事です。)
関連用語
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