岩手県知事が台湾の国際旅行博において岩手県の魅力のPRを行いました。同県を訪れる台湾人観光客の割合は全国一となっていますが、春や秋に集中しており、夏の観光客が少ないことを問題視しているようです。
「夏の岩手もぜひ来て」 台湾で知事らが観光PR(岩手日報)
http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20151110_4
どのようにしてオフシーズンの観光客を増やすか、という問題はどのような地域でも大きな問題になっています。宿泊施設などのキャパシティには限界があり、それを超えては受け入れられないため、メインシーズンの集客を強化することだけでは大きな効果を生まない、ということが一番大きなひとつの原因でしょう。
そういった中で本ニュースにおいては、どのような夏の岩手の価値を、どのようなライフステージにある台湾人に向けて発信するのか、ということや、夏の期間中、東京を訪れた台湾人をどのようにして岩手まで誘客して、何を観光してもらうのか、といった具体的な部分が必ずしも明確ではないように感じました。
地域活性に生活者の視点を!の記事でも述べています通り、「来て欲しい」「いいものがあるのに」と発信側が主張する・愚痴を漏らす事には、意味がありません。台湾人に対して来たいと思える価値を発信しなくてはならないでしょう。
さんさ踊りという、夏の民俗芸能を持ちだして夏の岩手のPRを行ったようですが、8月東京に到着する台湾人にとって大きな価値を持つものなのか、その時期、東京から岩手までと同時巻圏内で行われている芸能とどう差別化するのか、そういった具体的な部分がより意識される必要があるように感じます。
「地域活性」とは競争です。
その競争を勝ち抜くために意識すべきことを、マーケティングの視点を入れつつケーススタディにて考察しています。