体験運転事業による売り上げ増加を達成 島根県一畑電車の事例

一畑電車は一般の人が電車を運転を体験できる「体験運転事業」普及の道をひらいた電鉄です。今となっては年間売り上げは1100万円を超える一大事業に成長しました。

常識外れだったリアル「電車でGO!」。一畑電車の運転士が人気事業をつくるまで(Yahooニュース)
http://bylines.news.yahoo.co.jp/tanakaterumi/20151107-00051201/

昨日も、超低速列車「スノータートル」が人気を集める 新潟県という、交通以外の価値を提供した事例を紹介しましたが、今回の事例も、電車によって「実際に運転してみる・より鉄道のことを知って他の人に自慢できる」といった新しい価値を提供している好例だと考えます。

今後考えていかねばならないこととして、体験運転事業がどの電鉄会社でも行なわれるようになった時にどのように周囲と差別化していくか、ということが挙げられるでしょう。同時間・同金額で行くことができる別の電鉄会社に対して、優位点を持たなければ、その会社が有意に立てることはありません。値段を安くする、といった方法ではなく(廉売批判に関してはこちらをご覧ください。)、鉄道ファンにとってより価値が高まるような方法を常に検討していかなくてはなりません。

こういった顧客が一部のマニア層になりやすいコンテンツは、「誰が最も喜ぶような仕組みを作る必要があるのか」という「Who」の部分が分かりやすいため、近年とても面白い取り組みが行なわれるようになっていると思います。「誰に」の部分を明確化して、その人にとって価値ある空間を創造していくことは、地域活性化を考える上でも極めて重要な事だといえます。

「地域活性」とは競争です。

その競争を勝ち抜くために意識すべきことを、マーケティングの視点を入れつつケーススタディにて考察しています。