17日間にわたり開催されたリオオリンピックが閉幕しました。五輪旗は次回の開催地の東京に手渡され、安倍首相も一肌脱いで世界にアピールされていたようです。
リオの熱戦閉幕、五輪旗が東京へ 世界にアピール(公益財団法人日本オリンピック委員会)
http://www.joc.or.jp/games/olympic/riodejaneiro/news/detail.html?id=8222
現在、2020年東京オリンピック・パラリンピックを活用して日本の地域活性化を促進しよう!という取り組みが行われています。
政府は、東京での開催を「世界中の視線が日本に向かう絶好の機会」として、五輪に「直接の関係地域・企業でなくとも、このチャンスをうまく活用すれば莫大な宣伝効果が得られる」としています。
ここで、政府が挙げている地域活性化プランの活用策を覗いてみましょう。
資料はこちら
「2020年東京オリンピック・パラリンピックの 活用策について」
http://www.kanto.meti.go.jp/seisaku/olympic/data/20151201olympic_katsuyosaku.pdf
プラン1 ■ スポーツ産業貢献中小企業100選
プラン2 ■ 障害を持つスポーツ選手向けサポート器具コンテスト
プラン3 ■ 車いすスポーツの街の形成 ~パラスポーツを通じて~
プラン4 ■ 英雄たちへの伝統工芸品の贈呈イベント
プラン5 ■ ものづくり現場ツアー
プラン6 ■ アニメキャラクターが案内するテーマパーク列島「地元体験ツアー」
プラン7 ■ 旅行弱者に夢を!プロジェクト
プラン8 ■ 「ザ・日本の祭り!」見本市
プラン9 ■ 「ロボットスポーツコンテスト」の開催
プラン10 ■ 「災害に強い都市」シンポジウム
プラン11 ■ 「英雄たちの被災地訪問」記録映画の上映
プラン12 ■ 電動アシスト自転車を活用した交通網の構築
プラン13 ■ 日本発「恐竜メカニカルスーツ」でおもてなし
プラン14 ■ 少年サッカー大会“翼カップ”でリアル“キャプテン翼”を育成!
プラン15 ■ 地元めしを東京で発信!日本に行くなら地方へ行こう!
プラン16 ■ 「英雄たちの日本食」コンテストの開催
プラン17 ■ Made in Japanコーナーの設置
オリンピック・パラリンピックの開催地は大都市・東京ですが、その大都市からいかに地域に人を流出させるかということを念頭に置いているプランが、地域活性化に有効なものなのではないかと思います。
活用策として多かったものが、東京で、日本の各地域の資源や魅力を紹介するようなコンテストやイベントを開催するというものです。
各々のプランを見ていくと、確かに地域の資源や魅力をうまくアピールできる企画が練られていますが、
「ひとつの場(コンテストやイベント)に訪れるだけで様々な地域に触れられた。」というような満足感を参加者に与えかねないと感じました。
参加者がこうした満足感でいっぱいになると、わざわざ地域に訪れることもなくなってしまいます。
重要なのは、地域の良さを「チラ見せ」すること、実際に地域に行かないと体験できないことを魅力的に伝えることであり、
東京で地域の良さを余さずアピールすることではありません。
こちらのコラムでもイベントを開催した後の参加者の動きが重要であることを述べています。
ご覧下さい。
「地域活性」とは競争です。
その競争を勝ち抜くために意識すべきことを、マーケティングの視点を入れつつケーススタディにて考察しています。