大津市の越直美市長は、二日の定例会見で、世界中で大ヒットしているポケモンgoで、ご当地ポケモンの開発などの検討に向けて、ゲームを開発した任天堂に問い合わせをしていることを明らかにしました。
ご当地ポケモン開発へ検討 大津市、任天堂に問い合わせ中(中日新聞)
http://www.chunichi.co.jp/article/shiga/20160803/CK2016080302000027.html
日本でもポケモンgoがリリースして約2週間が経ちました。観光地ではなく公園にレアなポケモンが集中しているため、リリース当初に懸念されていたような、観光地への悪影響は意外と少ないのかもしれません。
以前の記事でポケモンgoを利用し、地域活性化を行うには、この2点を留保すべきであると指摘しました。
1点目は、こういったゲームの参加者はその土地に興味があって訪れるのではなく、ゲーム上の興味から地域に訪れるという点
2点目は、地域に収益をもたらすような行動をとらないのであれば、必ずしも高い効果を生まないため、地域に訪れる人が増えることは必ずしも地域活性化を意味しないという点です。
地域活性化の成功とは単にその地域に人が集まるだけではなく、そこの地域でお金を落としてもらえることが重要であるという視点から以上のように指摘を行いました。ただし、ポケモンgoのコンテンツと実際の地域との関連性があまりない場合という条件付きでした。
現状、その地域で行かないといけない理由がなく、ただそこにポケモンがいるから行くという状況です。しかしもしこのご当地ポケモンが開発されたとしたら、ゲーム内容とリンクされることになり、その地域でないといけない理由が発生します。
ご当地ポケモンはそこの地域でしか手に入らないということで吸引力は増し入館料等の収益のup、さらにキャラクターコンテンツ料を払うことによりグッズや食べ物などの売上upが大きく見込めるという点で地域にお金を落としてくれることにつながるでしょう。
先日世界で1億ダウンロードを突破したということで、仮にそのうちのたった1%の人が訪れるだけでも100万人訪れることになります。
ただし一時的なイベントの成功が地域活性化の成功に繋がるとは限りません。ポケモンgoブームが去れば、また元のような状態に戻るようでは意味がないからです。きっかけはポケモンだったかもしれませんが、実際に行ってみてその地域の魅力を感じ、想像を超える体験価値を得ることで、いかにファンになってもらいリピーターに繋げることができるのかを意識することが欠かせません。そのためにもその地域を訪れてもらった際に、このご当地ポケモンを使いいかにその地域の観光コンテンツを体験してもらえるのかを考えることが重要になるでしょう。
いずれにせよ、歩きスマホやゴミの問題などネガティブな面ばかりを考えるのではなく、世界1億人に認知してもらい誘致する絶好の機会と捉え、各自治体は最新動向を知り取り入れていくことが欠かせないでしょう。
こちらも合わせてご覧ください。
「地域活性」とは競争です。
その競争を勝ち抜くために意識すべきことを、マーケティングの視点を入れつつケーススタディにて考察しています。