移住者夫婦が地場産業の担い手に 「山路紙」をアートとして復活 田辺市の事例

1980年代の「アートで村おこし」の一環で移住してきた夫婦は、村の地域資源を見直していく中で、村のコウゾやノリウツギを利用した「山路紙」に注目し、それを使った紙を製作してきました。今では、小学校の卒業証書に利用されるほどに定着しています。

「山路紙」復活、移住の夫妻が 途絶えた産業をアートに(朝日新聞)
http://digital.asahi.com/articles/ASHD86TP3HD8PXLB01D.html?rm=327

地域の資源を見つけるときに重要な目線として、「地元の目線(地元の人が、それに誇りを持てるかどうか)」「外部の目線(外部の人が素晴らしいものであると認識するかどうか)」、そして「顧客の目線(それが商品になったときに、市場はいくら払っても良いと考えるかどうか)」という3種類の目線があります。全てが極めて重要です。

この事例は、「外部の目線」と長期的な取り組みによって「山路紙」という資源が見直されていく過程であり、非常に興味深いもののように感じました。現在地方移住が話題になっていますが、移住者は「外部の目線」で自身が興味がある、地域の資源に注目してくれる存在であるため、そこから地域活性化の糸口が見つかる可能性も十分に考えられます。

その上で、「市場の目線」の欠如には警戒しなくてはなりません。自分たちが作りたいものを作り、売りたいものを売ることは、長期的で持続可能な地域活性化とは言えません。通助の運営会社である株式会社ホジョセンではマーケティングを「顧客にとっての価値を最大化すること」と定義していますが、「市場の目線」を意識し、シーズとニーズのすり合わせの中で、顧客にとっての価値を最大化させていく必要があるでしょう。

ホジョセン・通助が考える「地域活性化」のあるべき姿は、こちらの記事で触れています。併せてご覧ください。
地域活性は競争だ

「地域活性」とは競争です。

その競争を勝ち抜くために意識すべきことを、マーケティングの視点を入れつつケーススタディにて考察しています。