4カ月健診時に木のおもちゃ贈呈、木工産業の振興につながるか

NPO法人日本グッド・トイ委員会が提唱している「ウッドスタート」に賛同して、誕生祝いとして木のおもちゃを贈呈する自治体が増えています。国産の木工製品に新たな価値を生み出し、消費を増やしている事例として、非常に興味深い事例だと考えています。

赤ちゃんに木製おもちゃ 贈呈の自治体増、県産材で「木育」 /長野(毎日新聞)
http://mainichi.jp/articles/20151213/ddl/k20/040/031000c

国産の木材は安価な外国産木材に押される形で需要が減っており、それに伴って日本の林業の現状も厳しいものになっていることは周知の事実です。そんな中で「国産木材が高価で品質が良い」と思われていることを利用して、乳幼児向けに「プレゼント」という価値を付与して消費を促進していることは非常に面白い取り組みだと思いました。

「売上」は最も簡単な計算式で表現すれば、「値段×消費量」となります。林業の高付加価値化を考える上で現在、自治体の庁舎をその土地の木材で作る、あるいはCLTなど「利用量を増やすこと」に関する議論は盛んに行われています。しかし、当然「値段」を上げることに関する議論も可能なことが考えられます。

子供向けおもちゃは必ずしも消費量が多い分野ではありませんが、「値段を上げる」ことを考える上で重要です。最初は贈呈する形で行っていき、その後、年々成長していく子供にあわせて、おもちゃを購入してもらうことができるような導線を設計することが重要ではないかと思います。

この記事では、掛け算によって利益を分解していくことの重要性を述べました。このように、地域活性化に関わることを掛け算で分解していくことについて、この記事で詳しく説明しています。こちらもあわせてご覧ください。
掛け算で考える

「地域活性」とは競争です。

その競争を勝ち抜くために意識すべきことを、マーケティングの視点を入れつつケーススタディにて考察しています。