大阪市の米映画テーマパーク、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)は11日、夏休み期間限定で大人1人につき子ども1人の入場料を無料にするキャンペーンを実施すると発表しました。開業15周年の記念企画で、16日から9月4日まで。関西2府4県に住む来場者が対象となります。
USJ、子ども入場無料に 夏休み、関西の小学生以下(東京新聞)
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2016071101001914.html
地域企業が地元の人への還元イベントとして非常に大手ならではの面白い取り組みであると言えます。こういう企業があると地元が盛り上がり、地元住民をファンにすることができます。
またずっと気になっていたが行けていなかった層を取り組むことができ、楽しい思い出を得ることができればリピーターにもつながるでしょう。そのために1回限りではなく何回も来てもらいたいと思わせるにはどうすればよいのかを意識することが欠かせません。
ここで売上=入場料×来場者数+園内客単価×来場者数に分解して考えると、売上=入場料↓×来場者数↑+園内客単価×来場者数↑となります。来場者数が増える代わりに子供の入場料が無料となるため、入園料は下がります。 それゆえ売上を上げるためには、園内客単価を上げる必要があります。しかし地元住民の人が今回対象のためお土産代はあまり高くは望めません。
それゆえ、園内でお金を落としてもらうためにはご飯代などで稼ぐ必要があります。このチケットだと途中退園できないため、持ち込みもできますが園内で食べる可能性は極めて高いです。
そこで地元住民の人が来て園内でお金を落としてもらうための戦略を考える必要があります。これは同様に地元住民が多い年間パス所持者にも言えることなので、この際真剣に取り組んでみてもよいと思います。
おそらくこの施策の目的は冒頭に述べた地元住民の人にファンになってもらうことでしょう。しかしもし来場者数が上がるだけで売上upの見込みがないのであれば、園内が大変混むことで夏休みしか来れない遠方からの一般客の満足度が下がるかもしれないという点で、必ずしも熱中症の危険性が高いこの7-8月にするべきことではないかもしれません。話題性&集客率upだけではなく、いかに園内客単価を上げるかがこのイベントの成功の秘訣なのかもしれません。
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「地域活性」とは競争です。
その競争を勝ち抜くために意識すべきことを、マーケティングの視点を入れつつケーススタディにて考察しています。