品種改良で「十勝ワイン」を救え! 地域名を使った商品名の普及に向けて

「十勝ワイン」の製造地域である北海道池田町が、冬でも製造できる白ワイン用ブドウの開発を開始しました。2018年から施行される国税庁の新基準(地域産の原料を85%以上使用しなければならない)において産地表示が厳格化される中、ブランド名を残す策として期待されているようです。

白ワイン用のブドウ開発へ 北海道池田町、厳冬でも栽培 (日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG07H3D_Z00C16A5000000/

ここでは、産地を使った商品名を使い続けることに重点を置き、変化する制度に対応していく地域の姿勢が見られます。その手段として品種改良による地域の原料開発が行われていくようです。

品種改良は人為的であるために良くないという批判もありますが、地域が持つデメリット(寒冷な気候、起伏の激しい地形等)をこの方法によって改善し、ブランド化につなげたケースがあります。例えば、もともと温暖な地域でしか生産できなかった米を、寒さに対応できるような品種に改良した結果、北海道や東北の米ブランドの確立に繋がっています。

米は国内で十分な消費を見込める商品ですが、ワインは代替する飲料がたくさんある点から米とは異なります。世界中が市場となるワインでブランド化を目指すのであれば、その中で生き残っていくための活動が必要となります。この記事ではその第一歩として国内の産地表示制度への適応が取り上げられていました。

次の段階として、海外の地域産品に対する認証制度への適応や、世界中の消費者へ向けたパッケージの提案等、地域が取り組むべき課題はたくさんあります。

その中でもマーケティングの課題については、こちらのコラムが参考になります。

「地域活性」とは競争です。

その競争を勝ち抜くために意識すべきことを、マーケティングの視点を入れつつケーススタディにて考察しています。