三陸ブランド浸透成功の明暗を分けるものとは?

三陸地域の魚介類や水産加工品のブランド化を図り、販路拡大や地域活性化につなげようと「三陸地域水産加工業等振興推進協議会」が3月30日設立され、国内外へ情報発信などを行い、「三陸ブランド」の浸透を目指します。

三陸ブランド浸透狙う 官民連携、協議会を設立(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/local/miyagi/news/20160330-OYTNT50347.html

本サイトのコラム(詳しくはこちら)で何度も論じているように地域ブランドとは、1.外向きのコミュニケーションと2.内向きのコミュニケーションの2種類のアプローチが考えられます。外向きのコミュニケーションとは一般的に広告宣伝やロゴ・商品面の整備を行うことで、内向きのコミュニケーションとはブランドを作っている側が、正しくブランドのことを理解して毀損しないように行動するよう足並みをそろえることです。しばしば地域ブランドはいかに派手に宣伝するかという外向きのコミュニケーションばかり想像されがちですが、実は同じくらいこの内向きのコミュニケーションが必要不可欠となります。

企業ブランド設計と違い、地域ブランド設計にかけられるお金が極めて少ないからこそ、この内向きのコミュニケーションを行って、いかに効率的に宣伝できるかが鍵になっていくかと思います。

そのため具体的には、まずブランドらしさを定義し明文化を行うことで関係者全員の解釈にブレをなくし、そのブランドイメージに沿った施策を行うことができます。今回の三陸地域水産加工業等振興推進協議会は、この内向きのコミュニケーションを図るものであり、非常に有意義なものであると思います。

ただ内向きのコミュニケーションを成功させるためには、関係者が一丸となって行う必要があり、民間の中から強いリーダーシップを発揮する人が官を引っ張っていくことが欠かせません。今会議はまだまだ官が民を引っ張っているように感じられるため、早急に地元住民の主体的な参画が行われないと、形式的なものになり失敗に終わってしまうかもしれません。

「地域活性」とは競争です。

その競争を勝ち抜くために意識すべきことを、マーケティングの視点を入れつつケーススタディにて考察しています。