諸外国においてサービスが先行して開始されました、拡張現実を利用したゲーム「ポケモンGO」が大きな話題を呼んでいます。こういったことを受けて日本でも、こういったゲームを利用することによって地域活性化を達成することが検討されています。どのような設計を行うことで、地域活性化につなげることができるのでしょうか。
ポケモンGOで「地方創生」の動き、図書館や美術館で活用広まる(Forbes Japan)
http://forbesjapan.com/articles/detail/12872
イングレスなど、拡張現実を利用したゲームによる地域活性化は現在盛んに検討が行われています。しかし、地域への収入を増加させる、という観点から考えると、以下の2点の問題点が解決されねばならないと考えています。
1点目は、こういったゲームの参加者はその土地に興味があって訪れるのではなく、ゲーム上の興味から地域に訪れるのだということとです。
ゲームは地域を訪れるきっかけとしては素晴らしいものですが、はっきり言ってしまえば「ゲームのために訪れるのであり、その地域に興味があるわけではない」ということに留意しなくてはなりません。
ゲームが目的に訪れることを検討している人に対して、どのように地域が持つ魅力を発信していくのか、ということについて考える必要があるように思います。
(こちらの記事も参考になるかと思います)
2点目は、地域に訪れる人が増えることは、必ずしも地域活性化を意味しないということです。世の中で言われている「地域活性化」とは、しばしば「その土地に来る人々が多いこと」を指していますが、それは間違っています。
その土地に来た人々が、ただ単にポケモンを捕まえるためにうろうろしている、あるいは食事はコンビニで済ましてしまう、ということで、地域に収益をもたらすような行動をとらない、ということであれば必ずしも高い効果を生みません。
彼らが地域を訪れることに対して、一人当たりの収入をいかにして増やしていけるか、ということを考え抜いていくことが重要だと思います。これについてはこちらの記事で詳しく説明していますので、併せてご覧ください。
いずれにせよ、そんなに簡単ではないですよ、という結論に落ち着くと思います。
「地域活性」とは競争です。
その競争を勝ち抜くために意識すべきことを、マーケティングの視点を入れつつケーススタディにて考察しています。