和歌山市毛見の「和歌山マリーナシティ」は、運営するテーマパーク「ポルトヨーロッパ」について3月19日から入園料を無料にすると発表しました。隣接する「黒潮市場」などで増加する外国人観光客を取り込むことが狙いです。乗り物については有料で、乗り放題券を200円値上げします。
和歌山マリーナシティ、「ポルトヨーロッパ」来月から入園無料(産経新聞)
http://www.sankei.com/region/news/160223/rgn1602230022-n1.html
売り上げを客単価×客数(「掛け算で考える」というコラムをごらんください)で考えると、今回の施策は入園無料にすることにより客数が上がります。しかし入園料を無料にすることで売上が減った分、乗り物や食事代やグッズ代などで本来の入園料1500円の元が回収できるのかをきちんと考えないといけません。ただの無料スポットになってしまっては意味がないので、お客さんに園内でお金を出してもらうきっかけを作りをたくさん仕掛けていく必要があります。
このようにスマホゲームなど初期費用をゼロにし、コンテンツ代で資金を回収していく方法がビジネスでは主流になりつつあります。すべての観光地がこのビジネスモデルを取るべきかという問いには必ずしもイエスとは言えません。特に今回の場合は要注意なのですが、外国人観光客は日本に来て何を求めているのでしょうか。それは〝日本らしさ〟を体験することだと思います。だから隣の黒潮市場には多くの外国人観光客が集まるのでしょう。そのためわざわざ日本に来て、「ポルトヨーロッパ」に行きたいでしょうか?無料であれば流入数は増えるかもしれませんが、流入金額が上がるとはなかなか思えません。むしろ今までの国内観光客が落としてくれていた入園料代すら回収できないかもしれません。今後多くの観光地が外国人観光客を取り入れようという動きが出てくると思いますが、本当にその観光地に行きたいと外国人観光客が思うかどうか(意外と国内観光者こそが狙うべきターゲットかもしれません)、またそう思わせるためにはさらに何をすべきなのかを考える必要があります。
「地域活性」とは競争です。
その競争を勝ち抜くために意識すべきことを、マーケティングの視点を入れつつケーススタディにて考察しています。