「都会の若者向け」に地域の価値を伝達 差別化図れるか 岐阜県の事例

岐阜県飛騨地域の三市一村が、都会の若者を移住者として取り込むべく移住促進パンフレットの作成を行っています。「都会の若者」という、地域において最も渇望されている移住者を獲得することにつなげるためには、どういった工夫が必要なのでしょうか。

都会の若者向けに移住パンフ製作 飛騨3市1村と県(中日新聞)
http://www.chunichi.co.jp/article/gifu/20160417/CK2016041702000012.html

全国的な傾向として、移住促進パンフレットを「都会の若者」をターゲットに作成した、という話はよく聞く話です。しかし、どの自治体もこのことを言っているということは、一筋縄ではいかない可能性がある、ということを意識する必要があります。

移住政策を考える人のための「移住・交流情報ガーデン」「全国移住ナビ」入門」の記事で触れました通り、移住者は非常に多くの情報に触れ、それらを検討した上で、移住という行動をとっていきます。そういった中で、「都市の若者」向けの誘致施策を打ち出している自治体がたくさんあるということは、その中の競争で勝利を収めていく必要があるということです。

その中でどのように競争に勝っていくか、これは非常に難しいことですが、ひとつだけ簡単なアドバイスを行うとするのであれば、「よりターゲット像を明確にする必要がある」ということです。「都市に住んでいる若者」という漠然としたイメージではなく、彼がどのような価値観を持ち、どのようなライフステージにあり、どのようなことに興味をもっているのか、そしてそういった目線から地域の資源を見直したときに、どのような資源と相性がいいのか。セグメンテーションについてしっかりと考え抜いていく必要があります。移住政策を考える上では、まずこういったところから考えていくことが重要です。(セグメンテーションについては、こちらの記事をご参照ください→決定木 vs 因子クラスター〜セグメンテーションのお話(1)

「地域活性」とは競争です。

その競争を勝ち抜くために意識すべきことを、マーケティングの視点を入れつつケーススタディにて考察しています。