通助では、地域活性を「お金を地域の外から稼ぐこと(移出力)」と、「お金を地域内で循環させ、地域外への流出を防ぐこと(循環力)」という2つの側面から考えています(「地域活性は競争だ」より)。こういった側面から地域活性を考えると、地域に根ざした中小企業をどのように安定したものにするか(例えば手厚く保護をすることで安定させるのか、あるいは、グローバル・ローカルな競争で勝てるようにすることで安定させるのか)という政策についても非常に重要なひとつのトピックとなってきます。
前回の記事、各政党の地域活性化・交流人口増加に関する政策まとめでは、タイトル通り、各政党の地域活性化・交流人口増加に関する政策を比較しましたが、今回はこのような考え方に基づき、各政党の中小企業活性化に関する方針について各政党の主要政策を参考にまとめてみました。繰り返しますが、通助ではそれぞれの政党が打ち出した政策に対する評価は行いません。政策に対する評価は、読者の皆様にお任せします。紹介する順番は、2014年衆院選後の衆議院議席が多い政党順です。
・自由民主党
アベノミクスの好循環を中小企業・小規模事業者にも拡大するための政策として、以下の2つを挙げている。
・商店街活性化、中心市街地活性化を推進
・創業準備から事業承継までの支援の充実・強化
2015自民党政策パンフレットより
http://jimin.ncss.nifty.com/pdf/pamphlet/20150226_bira.pdf
・民主党
政府が行っているアベノミクスや地方創生では、中小企業は良くならない、と主張し、別の手段により、中小・零細企業に対する支援を行うことを約束している。
2015民主党政策パンフレットより
http://www.dpj.or.jp/article/policy-booklet-kiten
・維新の党
大都市の大企業と中小企業・小規模事業者との格差が拡大していることを指摘し、様々な分野において、業界への新規参入を支援する政策を重要視している。
維新の党 基本政策より
https://ishinnotoh.jp/policy/policydetail/
・公明党
地方創生を推進する上で、
・中小企業・小規模事業者の研究開発・販路開拓支援
・商店街の空き店舗等を利用した商業インキュベーションの強化
を行うことで、中小企業・小規模事業者支援を行うとしている。
公明党 統一地方選重点政策より
https://www.komei.or.jp/news/detail/20150208_16194
・日本共産党
選択と集中ではなく、全ての中小企業・地場産業・商店街を視野に入れ、支援することを掲げており、これらを地域社会の基盤として、守ってゆくことが重要であるとしている。
いっせい地方選挙政策アピールより
http://www.jcp.or.jp/web_policy/2015/02/post-688.html
・次世代の党
世界で活躍できる中小企業を育てる、という観点で、
・高い技術を持った地方企業の設備投資の支援
・地方発ビジネスチャンス拡大の支援
を提案している。
基本政策より
http://jisedai.jp/basicpolicy
・生活の党と山本太郎となかまたち
中小企業で働いている人が中心になれる社会を目的としており、物価高や実質賃金低下に苦しむ中小企業の支援を行っていくべきである、と主張している。
衆院選公約2014
http://www.seikatsu1.jp/policy/political_policy2014
(生活の党は、党としての統一地方選の公約が見つからなかったため、最新の2014年度衆院選公約で代替しました。)
・社会民主党
中小企業を「社会の主役」として位置づけており、それに伴い、商店街自体への支援だけにとどまらず、それぞれの店舗にも支援を行うこと、地域で企業を育てるという考えのもと、中小企業を産学公民金が支える「エコノミックガーデニング政策」、自治体が新商品を購入・宣伝する「トライアル発注制度」などの政策を進めている。
統一自治体選挙2015 選挙政策集
http://sdp-municipality.jp/pdf/2015manifest.pdf
「手厚く保護を行う」と主張した政党と、「競争によって質を上げていく」と主張した政党、違いがくっきりと浮かび上がる形になりました。こういった身近な政策に関する指針の違いから、投票先をどこにしようか考えていく、という方法も良いと私は思います。
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通助[ケーススタディ]