ご当地グルメは“つくる”べきか、“みつける”べきか

ご当地グルメで現地に人を呼ぶにはそれ相当の魅力がなくてはならない。では、ご当地グルメの魅力とはなんだろう。味はもちろんだが、メニューの背景にその土地ならではのストーリーがなくてはならない。人は舌と目で食べるだけでなく頭でもたべるのだ。食べ物を通して歴史や文化、地元の人たちの暮らし方などを感じ、疑似体験するのである。

そう考えるとご当地グルメは新しくつくり出すよりも、その土地で昔から愛され食べられてきたものを見つけだし、ご当地ブランドとして育てあげる方が理にかなっている。新しいメニューをつくることが悪いわけではないが、開発の手間と資本、その後地元に定着させ維持していくための維持費を考えると効率は良くない。一時的なブームで終わることも少なくないだろう。現在のところ、この“開発型”で成功している例はほとんどないと言われている。

見つけだし、育てあげるプロセスは意外と難しいかもしれない。なぜなら地元の人にとって愛着のある食べ物はあまりに当たり前すぎて見過ごされてしまうからだ。そんなダイヤの原石を見つけたときの喜びは何事にもかえられないのではないだろうか。時代とともに観光客のニーズも変化している。昔は団体客が観光客用に用意されたものを食べ、土産として買って帰った。今は個人旅行者が観光客用に作られたものではなく地元の人が慣れ親しんだものを探し求め訪れる。そうしたニーズの変化もご当地グルメを地域活性に有効活用する後押しになっているのだろう。

本記事で説明してまいりました地域ブランドの育成に関係したものとして、本ブログの運営会社である株式会社ホジョセンでは、地域ブランド・地域ストーリー作りの課題について述べたレポートを発表しております。無料ダウンロードできますので、こちらもどうぞご覧ください。

地域ブランドの育成における課題〜企業におけるブランディングとの比較から〜

ポイント

  • ご当地グルメは、その土地で昔から食べられてきたものを見つけだし、育て上げるべき
  • ご当地グルメを地域活性に結びつけるには、メニューの背景にその土地ならではのストーリーが必要
  • 団体旅行から個人旅行へのシフトという環境変化は、ご当地グルメの地域活性における重要性を高めている