埼玉県は、県内農業の競争力向上を目指し、4月から食品会社や医薬品メーカーのニーズに合った野菜を生産する「オーダーメイド型」の産地作りに乗り出します。県内は、食品工場などが集積している一方、野菜産出額が全国6位と農業が盛んで、産地と企業が近い立地条件を生かせると判断しました。
野菜生産 企業ニーズに合わせ(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/local/saitama/news/20160329-OYTNT50350.html
商品を売る場合、1.消費者向けと2.企業向けの2種類に分けられます。この企業向け商品を強化することで、地方に企業誘致に成功できます。そうすることで地方に人が増え(移住者増)、地元経済が活性化し地域活性化につながるでしょう。
しかしこのオーダーメイド型の野菜に重視する施策は危険が伴います。そもそも野菜は他の商材と違い、天候や気候に左右されがちで生産量を調整しにくいという欠点があります。それゆえ毎年価格は変動します。もし高騰した場合企業側と生産側どちらが負担するのかということや、価格をなかなか決定できないため価格決定は生産前に行われるのか生産後に行われるのかということなど様々な問題が発生します。
また企業はまとめて購入するため安くしてほしいと交渉するのは当然の流れで、大量受注を断れられると先行投資の未回収等、生産者側にかなりのダメージが発生するため、パワーバランスは企業側が大きくなると考えられます。そうなると結局、企業に買い叩かれることになり、果たしてそれは地域活性につながるのでしょうか。
少し話は変わりますが、外国人観光客へのニーズの話も参考になるかもしれません。
「地域活性」とは競争です。
その競争を勝ち抜くために意識すべきことを、マーケティングの視点を入れつつケーススタディにて考察しています。