6月26日から黒部ダムにおける観光放水事業が始まりました。人気を博している観光施設ではありますが、交通費以外の部分ででどのように地域の収入増につなげていくことができるか、という部分で取り組むべき課題も残されているように思います。
黒部ダムで観光放水始まる 富山(NHKnews)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160626/k10010572451000.html
黒部ダムは、「ダム」という普通の人には魅力が伝わりにくいものといえどもしっかり顧客に対して価値を伝達することができれば観光資源になりうる、ということの好例であると考えています。
交通の便が必ずしも良いとは言えない場所であるにもかかわらず(だからこそ、の部分もありますが)、入込観光客数を集めている観光施設になっていることは本当にすごいことです。
その一方で、「地域の収入増」というところで地域活性化を考えていくと、「一人あたりの消費額」という部分も極めて重要になります。
(通助の地域活性化に関する考え方について、詳しくはこちら)
交通の便が悪いところである、ということを考慮すると、黒部ダムの存在が運輸に関係する部分に大きな収入をもたらすことはできていると言えるでしょう。
しかし課題も多いように思います。例えば、入込観光客数が多い理由は、「別のところに宿泊するツアーの通り道」にされているだけではないかということ、あるいは「黒部ダム利用者によって、地元の1次産業関連加工品の収入を増加できているか」といったことです。こういった部分を考え抜き、さらに地域に収入をもたらすことができるように設計をしていく必要があると思います。
過去に執筆したこういった記事も、「分解して考えること」を考える上でお役に立てるかと思います。こちらもあわせてご覧ください。
「地域活性」とは競争です。
その競争を勝ち抜くために意識すべきことを、マーケティングの視点を入れつつケーススタディにて考察しています。