湯治旅行プランがヘルスツーリズム対象に選ばれる 竹田市の事例

NPO法人日本ヘルスツーリズム振興機構は、1月12日に第8回ヘルスツーリズム大賞・奨励賞を発表しました。大賞は、竹田市の「温泉療養保健システム」でした。14年度の利用者は760人で、年々増加傾向にあるようです。

「竹田式湯治」に大賞 ヘルスツーリズムで地域活性化(大分合同新聞)
https://www.oita-press.co.jp/1010000000/2016/01/21/215107361

医療効果については専門家ではないので分かりませんが、それに価値を見いだす人がたくさんおり、湯治としても意味がある、と言われていることは素晴らしいことだと思います。

マーケティングの観点から議論したい点を指摘するとするならば、「入浴料と宿泊料の一部助成」が、長期的な観点から見て吉と出るのか、凶と出るのかということが挙げられるでしょう。

以前、旅行代金半額補助:止めるべきだねというお話の中で、廉売を続けることによって、「安いから買う」というようにブランドの価値が損なわれる、というお話をしました。この竹田市の事例においては、一泊につき500円を助成ということですので、長期的に見てみなければわかりませんが、それほど大きな問題はないように感じます。

これにより、「湯治のハードルのイメージを下げ、客数を伸ばす」、あるいは逆に「補助があるから、という意識を持たせることで、宿泊数を増やし、客単価を増やす」ということが意識されているのであれば、非常に面白いですね。「観光収入=入込客数×顧客単価×域内調達率」という計算式を忘れずに、その積を長期的に増大させることが考えられている事例のひとつと言えるのではないでしょうか。

「地域活性」とは競争です。

その競争を勝ち抜くために意識すべきことを、マーケティングの視点を入れつつケーススタディにて考察しています。