忍者を利用しての地域活性化の試み 甲賀市の事例

甲賀市の市職員への新人研修として、忍者装束の着付け指導が行われています。市は忍者の里として有名であり、外国人観光客などにも人気を集めている忍者を利用して、地域活性化をはかっていく方針のようです。

忍者衣装の着付け指導 滋賀・甲賀市職員にユニーク研修(産経新聞)
http://www.sankei.com/west/news/160521/wst1605210039-n1.html

コスチュームにより観光客をお出迎えする(忍者の他に、武士・海女など)といった取り組みは、全国的に大流行しているものだと思います。事実、写真映えするためSNSでの拡散が望まれる・メディアにも取り上げられやすいことなど、メリットが存在していないとは思いません。

しかし、「武者が出迎えてくれるから」その土地に行く、という発想にはいたりにくいことに留意する必要があると思います。つまり、コスチュームによるお迎え施策は、直接的に観光客を増やす取り組みとは言えず、その地域のイメージをより強固にするものと捉えるべきです。

全国的にこういった施策が溢れている今、武士・忍者イメージなどを強化していくことが、その土地固有の魅力を強化することにつながるか、といったことには疑問を覚えます。逆に甲賀市のように、突き抜けた歴史性を持つ地域において、こういった施策を行っていくことは重要でしょう。

今回はキーワードが「忍者」でしたが、「水」というキーワードを設定した事例として、以前コラムを執筆しています。こちらも併せてご覧ください。
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「地域活性」とは競争です。

その競争を勝ち抜くために意識すべきことを、マーケティングの視点を入れつつケーススタディにて考察しています。