「地域の魅力を若者に発信」の意味をより深く考える 十日町市の事例

十日町市の市民交流センターにおいて、ガールズ集団「リリー&マリーズ」がファッションショーを開催しました。記事によると、「十日町の良さを若い女性に知ってもら」うことを目的として開催されたようです。

地域の魅力若者に発信 「リリマリ」十日町支部 記念のファッションショー(新潟日報)
http://www.niigata-nippo.co.jp/news/local/20160509253446.html

「地域の魅力を若者に発信する」という言葉は、近年非常によく耳にするようになった言葉であるのですが、やや曖昧であり、意味が明確化されるべき言葉であると思っています。

まず、「若者とは誰か?」ということです。あまりにもばっくりとした定義ですから、高校生なのか、大学生なのか、卒業後の単身のサラリーマンなのか、新婚なのか、乳児がいるのか、小学生の子どもがいるのか…、それぞれのライフステージにおいて訴求すべきポイントやそれぞれのコーホートが有する価値観は全く異なるものです。年齢/性別ベースのセグメンテーションではなく、こういったライフステージ・そこからもたらされる価値観、というところをベースにしてセグメンテーションは行われるべきです。(詳しくはこちらの記事がわかりやすいと思います→決定木 vs 因子クラスター〜セグメンテーションのお話(1)

また、「なぜ若者なのか?別のライフステージにある人びとに訴求しないのか?」ということも考えられます。移住分野など、再生産可能な世代が強く求められているということはあるでしょう。しかし、地域資源の魅力を発信すること(特に観光や産品の販売に関する分野)を考える上で、別のライフステージにある人びとに発信することの方が得意な地域は世の中にたくさんある気がします。周辺地域でも「地域の魅力を若者に!」と言っているのですから、こういったところをより考えなくては、競争に勝っていくことはできません。

若者をターゲットにするのは適切ではあるが、その上でさらにいろいろと考えなくてはならないことがある、ということです。この記事の後半部分でもそれについて触れていますのでご覧ください→地域活性化事業における大学生との協働で覚えておきたい3つのコト

「地域活性」とは競争です。

その競争を勝ち抜くために意識すべきことを、マーケティングの視点を入れつつケーススタディにて考察しています。