「1 万円さぬきうどん」の PR は成功だったのか

地域のイメージやテーマ、ストーリーが明確でないと特産品に統一感がなく PR も非効率になってしまいます。そんなことを最近下記の記事を見て思い出しました。

「1万円のさぬきうどん」香川県が東京で試食会

はじめはさぬきうどんのプレミアム戦略か奇をてらった PR かと思いましたが、実は香川県がさぬきうどんに続く第二の特産品としてオリーブを広めるために“さぬきうどん x オリーブ”のコラボレーションを企画したようです。うどんにはオリーブ牛とオリーブハマチというものが添えられていました。

結果として、インターネットを中心にこのニュースは駆け巡ったようで一見すると成功しているようにも見えます。ところが、この PR の狙いは、

オリーブの実や、葉の粉末を餌にした県特産の「オリーブ牛」「オリーブハマチ」を具材にした。香川がオリーブの日本最大の産地であることを知ってもらう狙い。

とのこと。つまりオリーブの PR だったのですが、残念ながらそのようには広まらなかったように思います。

香川県はさぬきうどんという強力なブランドを持ちながらも、地域のイメージはいまひとつ。温暖な気候、多様な農作物、先進的な医農連携、アートで文化的な町など強みはいろいろあるそうですが、生活者側にはまだ伝わっていません。そんな香川県が特産物を広げようとしても話題はどうしてもブランド力の強いうどんに持っていかれてしまいます。今後第三、第四と特産品を広げていく上で香川県は地域としてさぬきうどんやオリーブ、そしてその他の特産品を包括するような魅力的なストーリーを打ち出していくことが先決だと思われます。

一方、今回の 1 万円という価格設定も唐突な印象を与え、本来の企画の趣旨を弱めてしまったように思えます。プレミアム戦略は消費者にブランドの価値を知ってもらって初めて成り立つもの。1 万円の値段をつけるならオリーブのブランド化が成功してからすべきだったでしょう。

ポイント

  • 地域に共通するストーリーがないと、複数の特産品を一括して PR することは非効率になりがちである


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地域ブランドの育成における課題〜企業におけるブランディングとの比較から〜