スカッシュ等の落選種目を利用した地域おこしを検討 大会組織委員会

東京五輪における追加競技種目に選ばれなかったスカッシュ、ボーリング、武術といったスポーツを地方部で行うことによって、地域おこしを目指そう、という意見が出ています。これらの大会が地方部で行われることになると、特設会場は終了後は市民に遺産として残されます。

スカッシュで「地域おこし」も=組織委、可能性検討—東京五輪(BIGLOBE)
http://news.biglobe.ne.jp/sports/0131/jj_160131_7743261773.html

「地域おこし」という言葉が非常に曖昧な意味で利用されている典型的な事例であると考えます。読む人によっては、「スポーツを通した住民の健康増進=地域おこし」、「イベントによる経済効果=地域おこし」とも読めますし、単に「わいわいイベントが行われる=地域おこし」とも読めます。目的を曖昧かつ多様に設計することで、何に効果を上げているのかが見えにくくなってしまうことは、地域活性化の事例でもよく見られることです。(イベントと地域活性化に関する考え方はこちらの記事で紹介しています。イベントの成功=地域活性化の実現ではありません

イベントを行う際には、「このイベントによって達成すべき効果」を明確に定めなければなりません。健康増進が目的なのであれば、市民の運動時間の変化などをトラッキングしていく必要がありますし、イベントの経済効果が目的なのであれば、参加者の消費額や、そのうち域内で取れたものを消費した割合などをトラッキングしていく必要があります。

また、こういった目的によって地域に誕生したスポーツ施設の稼働率が高い事例はほとんどありません。施設を作るときには、どのような人に利用してもらうのか、周辺に同じ人をターゲットにした施設がないか、どのように稼働率を上げていくのか、ということが踏まえられなくてはならないと思います。

「地域活性」とは競争です。

その競争を勝ち抜くために意識すべきことを、マーケティングの視点を入れつつケーススタディにて考察しています。