養殖業で地域ブランド作りを行うときのポイント 「伊予の媛貴海(ひめたかみ)」の事例

愛媛県がマグロの近縁種「スマ」の完全養殖に成功しました。9000匹の稚魚は養殖業者に引き渡され、県産のブランド、「伊予の媛貴海(ひめたかみ)」として出荷されるそうです。

愛媛県、スマを「完全養殖」 稚魚9000匹を育成、今冬にも出荷 (日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/article/DGXLZO02434780X10C16A5LA0000/

クロマグロの漁獲規制が強まる中、計画的かつ安定的に生産できる養殖業に注目が集まっているようです。水産庁は、「企業が養殖業に参入し、地元での雇用の創出や地域の活性化が図られている事例もみられる」と述べています。

「伊予の媛貴海」は、体重が3kg以上、脂肪含有率が15%以上ある、愛媛県産の養殖スマと定義されています。

新たなブランドのセールスポイントとしては、以下の4点が挙げられています。①マグロともカツオとも違う脂の乗った養殖スマであること、②きめ細かな脂乗りで全身がトロのような滑らか食感、③臭みが無いため、和食だけでなく洋食にもフィットすること、④生産量が少なく、希少性が極めて高いこと

スマという魚自体が市場にあまり出回っていないため、突出性があり、比較的ブランド化しやすい商品であることは間違いないでしょう。しかし、地域ブランドとして売り出すのであれば、消費者にしっかりと認識されるための工夫をするべきです。

つまり、愛媛県で「養殖されたスマ」というだけではなく、地域ブランドのストーリー(愛媛県の文化や歴史、地域資源と養殖スマという商品がどのように結びついているのか)をアピールしていく必要があるでしょう。(地域ブランドについてのコラムはこちらからご確認いただけます。→地域ブランドにはストーリーが必要だといわれるが、そもそもストーリーってなんだろう?

「地域活性」とは競争です。

その競争を勝ち抜くために意識すべきことを、マーケティングの視点を入れつつケーススタディにて考察しています。