定住促進に向けて審査手数料を割り引く仕組み構築 加須市の事例

加須市では、若手職員の考えを受けて、移住者に対して引越し費用や引越し関連手数料を補助する制度を設計しました。子ども一人あたり1kgのお米も進呈されるようです。

加須市、定住促進へあの手この手 手数料免除や特産米贈呈(農業協同組合新聞)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/saitama/list/201604/CK2016041402000197.html

通助では、移住における廉売(つまり、坪単価を980円にしてしまう・牛一頭をプレゼントする)といったことは絶対に行わないべきである、ということを主張してきました。つまり、金目当ての移住者しかこない、といった問題を生む、あるいは翌年度以降、それ以上の特典をつけなければ移住者がこなくなる、という部分で地雷的です。

本事例はそれほどの廉売とはいえない上で、移住希望者にとって「お得感」を与えるものになっているように思います。しかし同時に、「これが移住における決め手」となりうるか、ということを考えると、おそらくそうはならないでしょう。なんとか価値を高めていきたい、という場面で、インセンティブをつけすぎると地雷的ですし、少しだけつけても意味が無くなる、というところで非常に難しい選択を迫られているように思います。

移住において重要なことはやはり、その「土地の魅力」、「ユニークな価値」という部分でしかないように思います。そこをしっかり考え抜く以外に成功はないでしょう。そのことに関しては、こちらの記事もご参照ください。→「移住政策を考える人のための「移住・交流情報ガーデン」「全国移住ナビ」入門

「地域活性」とは競争です。

その競争を勝ち抜くために意識すべきことを、マーケティングの視点を入れつつケーススタディにて考察しています。