地場産業のPR冊子を作成 伝統の継承につながるか 姫路市の事例

姫路市と姫路・西播磨地場産業センターが、姫路に存在する11の地場産業を紹介する冊子として、「地場自慢」を作成、配布しています。記事によると、「姫路で育まれた技術と伝統を後世に受け継」ぐことが目的のようです。

姫路が誇る地場産業 11業種を冊子で紹介(eoニュース)
http://eonet.jp/news/kansai/kobe/189152.html

「姫路で育まれた技術と伝統を後世に受け継」ぐということを目的にしているようですが、このテーマは異なったふたつの層へのPRが意識されているように思います。

一つ目は、「観光客に対して地場産品のPRを行い、商品を購入してもらう」ということです。この側面から考えると、観光案内所で本冊子を配布したり、といったことを行うことは間違っていないでしょう。しかし、お土産として化学・雑貨や、繊維・機械・金属といった分野のものを購入する人は必ずしも多いとは言えないでしょう。こういった側面からはより工夫の余地があるように思います。

二つ目は、「地域の若者や、移住希望者などに地場産品のPRを行い、後継者になってもらう・継続的なファンになってもらう」ということです。この側面から考えると、図書館で本冊子を配布したり、といったことを行うことは間違っていないでしょう。

このような多様な側面が考えられることを意識して、「目的をひとつに絞る」ということが重要であるように思います。今回は双方に対して「まあまあ」な情報発信をすることが意識されており、必ずしもどっちつかずという印象を覚えないということはできません。その部分において明確化が求められるように思います。

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