「風景に溶け込む特急」が話題に、乗ることを目的にした車両の追求進む 西武鉄道

西武鉄道に25年ぶりに新型特急車両が導入される模様です。新型車両の設計は妹島和世氏で、風景に溶け込むようなデザインコンセプトで車両の外見が設計されました。一方、内部のコンセプトは「新しい価値を創造し、ただの移動手段ではなく、目的地となる特急」のようです。

「風景に溶け込む特急」登場 「建築界のノーベル賞」受賞者がデザイン 西武(乗り物ニュース)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160314-00010004-norimono-bus_all

移動手段のひとつにすぎないはずの鉄道を、マニアなどに対して「目的」として提供するということに興味を持って、通助では何回か地域活性化ニュースで鉄道を取り上げてきました。マニアや子どもが鉄道に対して、「目的」としての価値を持っていることに対して、鉄道を「目的」として提供していくということが、マーケティングの視点から見て極めて面白いことだと思っています。

現在廃線や駅の廃止など、暗い話題も多い鉄道業界ですが、「目的」としての鉄道という概念から様々な新しい価値の創造が行われており、極めて興味深い現状にあるように思います。鉄道業に関わるわけではなく、地域活性化の成功に興味がある我々としては、このように元来「目的」として用いられてきたディープな行為(例えば、漁業の過程であるとか、乳牛の飼育など)も、観光客が体験できるような観光客増の「手段」として用いることができる、ということを考えていくことではないでしょうか。顧客にとっての価値を追求する、ということがマーケティングの基本的な考え方です。

手段を目的化する、という考え方は、「モノ」を売るのではなく「コト」を売るという部分とも関連するところがあるように思います。詳しくはこちら。
モノ売りからコト売りへ ~長期顧客を獲得したければ、感情的インセンティブを刺激すべし。

「地域活性」とは競争です。

その競争を勝ち抜くために意識すべきことを、マーケティングの視点を入れつつケーススタディにて考察しています。