ゆっくり進む観光列車の価値とは 流氷ノロッコ号の事例

人気の観光列車「流氷ノロッコ号」の次年度の存続が問題になっています。流氷をのんびりと眺められるという十分な価値がある中、機関車が確保できないという問題を抱えているようです。

「流氷ノロッコ号」 が今季で最後 !? 人気の観光列車なのに…。(dot.)
http://dot.asahi.com/tenkijp/suppl/2016020800039.html

通助では、いろいろな鉄道を利用した活性化事例についても過去に述べてきました(過去の地域活性化ニュース キーワード:鉄道)。ゆっくり走る鉄道の事例を多く紹介している理由は、鉄道が好きだからというわけでもなく、「速さや場所に到着する」ことが目的であり、価値であった鉄道に「遅さ・乗っていることそれ自体、あるいは風景」が目的・価値という別の価値が見出されていることが非常に興味深いと感じているからです。

これからの社会は、「安いこと」、「効率が良いこと」のみが価値である社会から脱却されていくことが予想できます。「高くても・効率が悪くても、このこだわりがあれば価値がある」というような考えはすでに浸透しているといえます。このような考え方が浸透する世の中において、特に地方部の地域資源は価値を発揮することができると考えています。

このようなJR北海道の事例においては、流氷をのんびりと眺めることができる、キタキツネやオオワシに出会うことができる可能性がある、といった価値をより「顧客に魅力的な伝達方法」で伝えていく必要があったと思います。地域活性化を考える上でも、「誰に・何を・どのように」というフレームを利用して、顧客が求めるものをどのように伝えるかを考えていく必要があります。

「地域活性」とは競争です。

その競争を勝ち抜くために意識すべきことを、マーケティングの視点を入れつつケーススタディにて考察しています。