【2016年1月】地域活性化×マーケティングの視点で知っておくべき事例3つ

2016年ももはや12分の1が経過してしまいました。「1月行く」という表現は本当に恐ろしい表現です。今回の記事は「ふりかえり事例紹介地域活性化ニュース」と題しまして、12月投稿した記事と同様に、1月中に取り上げてきました地域活性化ニュース(地域活性化ニュースでは平日毎日地域活性化に関する事例を取り上げて配信しています、過去の事例紹介はこちら)の中で、地域活性化とマーケティング・ブランディングの観点から興味深い事例・学ぶべき事例を「3つだけ」に厳選して紹介していきたいと思います。(12月に紹介した事例に関してはこちらをご覧ください。「【2015年12月】地域活性化×マーケティングの視点で知っておくべき事例3つ」)

  1. 県主導で「空き家活用モデル事業」を開始 長崎県の事例
  2. http://tsu-suke.jp/news/3952

    空き家を利用した観光・移住促進になんとか取り組もうとしている事例として面白いものだと思いました。
    空き家の再利用事例を考える際に重要なことは、「その土地から人が出て行ったから空き家になった、そして今も入居者がいない」という前提を理解すること、そしてそれを意識して、効率性とは違う価値を伝達していく必要があることの2点です。

    この事例においても、「不便なところを再開発しなくてもいいんじゃないか」という指摘がなされています。このような「土地に効率性を見出し、この土地に価値がないとする視点」もひとつの視点なのですが、そうではなくて、「長崎といえば坂、そういった異国情緒溢れる場所に住みたい」と思う視点を持つ人にとっては、他の人から見ると不便な土地ですが価値のある場所であると言えます。

    空き家に「効率性」という価値を見出すことはできません(便利なところに家があるならば、空き家になりませんし、民間で解決可能な問題です)。効率性以外の価値をどのように発信していくことができるのか。全国的に空き家利用が進行している中で、空き家利用を考える上ではまず、この部分を考えていかなくてはならないと思います。

    マーケティング・ブランディングの知見を利用して、効率性以外の価値を発信していく、という考え方は、今後の地域活性化を考える上で極めて重要な考え方ではないかと思います。通助で時間をかけて成功事例を収集していきたいテーマのひとつです。
     

  3. 高齢者は地方部に移住したいのか 豊島区民へのアンケート調査の事例
  4. http://tsu-suke.jp/news/3990

    若者の移住がニュースとして取り上げられるようになっている中で、「移住に興味があるか」を問う調査が行われることが増えています。調査の多くは5段階評価での質問を行われており、それを取り上げるマスメディアでは、好感だった上位2項目のパーセントを足し算して「◯◯%の人が移住に興味がある」と取り上げる傾向があります。

    しかし我々は「移住」という行動が実行のハードルが高い行為であることに留意せねばなりません。「どちらかというと」と答える回答層の数に一喜一憂するのではなく、本当に移住したいと強く思っている人の数を測定する必要があるほか、その層に対するアプローチが求められるのではないかと考えています。

    移住の場合は特に「少数のターゲットに強い魅力を訴求すること」が重要になってくると思います。このことに関してはこちらの記事でも解説しておりますので是非ともご覧ください。→「移住政策を考える人のための「移住・交流情報ガーデン」「全国移住ナビ」入門

    この事例ですが、朝日新聞はこのように正反対の側面から取り上げています。2割が肯定的、というよりもこちらの取り上げ方の方が妥当ではないかと思います。
    秩父市への移住、7割が消極的 東京都豊島区の意識調査
     

  5. 農家民宿が外国人観光客に人気を集める 京都市左京区の事例
  6. http://tsu-suke.jp/news/3993

    ニュース記事内でもマイルドに触れましたが、「自然が魅力」という魅力発信の事例は、本当によくある地域活性化の失敗事例のひとつな気がします。特段自然に興味がない人に対して「ここの自然は特別!」と感じさせることが可能な自然は、日本でも白神山地や屋久島、上高地、北海道など限られています。そのほか、ここでしかない植生、南限、北限といった要素は差異化のポイントではありますが、一般的な人びとはそこに価値を見出すことはありません。自然は有意な差別化が難しい要素のひとつといえるでしょう。

    地域には間違いなく自然以外にも、顧客に対して伝えるべき魅力が存在しているでしょう。にもかかわらず地域には、自分たちの魅力をなんとなく卑下してしまう雰囲気があるように感じています。顧客から見てさほど魅力的でない上、差別化の難しい「自然」に価値を見出すのではなく、よりユニークな地域のストーリーを提示していくことが出来るのではないかと思います。

    通助ではこのようなユニークな地域の魅力について、「ブランドストーリー」という概念から言及しています。こちらのコラムで説明していますので、どうぞご覧下さい。
    地域ブランドにはストーリーが必要だといわれるが、そもそもストーリーってなんだろう?

さて、「逃げる2月」にはどのような興味深い成功事例を紹介することができるのでしょうか。マーケティング・ブランディングの知見が生かされている、面白い成功事例を2月号で皆様にお伝えできることを楽しみにしています。

本記事で説明してまいりました地域ブランドの育成に関係したものとして、本ブログの運営会社である株式会社ホジョセンでは、地域ブランド・地域ストーリー作りの課題について述べたレポートを発表しております。無料ダウンロードできますので、こちらもどうぞご覧ください。
地域ブランドの育成における課題〜企業におけるブランディングとの比較から〜