芝浦工業大学と桐材店とコラボレーション これからの地域と大学との関係は 本庄市

芝浦工業大学のデザイン専攻の学生が、関根桐材店と共同して、桐材の新しい利用手法を模索しています。今回作成されたのは、米びつとコーヒーキャニスターです。これらは、関根桐材店のHPで購入することが可能です。

桐の町・埼玉県本庄の地域産業の活性化を目指す — 芝浦工業大学の学生が伝統工芸をリデザインした食品収納箱「桐CUBE」が商品化(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/adv/komachi/release/00017132.html

産官学連携などによる地場産業振興が盛んになる中、大学生による地域活性化の取り組みがニュースになることが多くなっています。そんな中で、デザイン等の技能を持つ大学生による地場産業のサポート、ということはより注目されるべき取り組みであると思っています。若くて熱意があり、優れたデザインスキルを持つ大学生のデザイナーが地場産業に貢献できることは数多いはずです。

そんな大学生のデザイナーですが、社会経験が不足しているという部分は地場産業の側で補う必要があるでしょう。そうした際には、地場産業の側は「誰に向けた商品なのか」、「商品によって何を伝えることが目的なのか」という部分を考えて、それを大学生に提示する必要があると考えます。

「誰に向けた商品なのか」、「商品によって何を伝えることが目的なのか」、という部分は、「Who→What→How」という順番で考えるべきである、というモデルを意識したものです。誰を対象にするのか、そして何を伝えたいのか、という部分が決まっていないと、どのようなデザインが優れているのか、ということを考えることはできないでしょう。端的な具体例を挙げると、「乳幼児が落ち着くことができる」ことを主張するための優れたデザインと、「独身の男性がアクティブに活動できる」ことを主張するための優れたデザインとは全く異なるものになるけれども、両方とも優れたデザインである可能性がある、ということです。そういったことを決定して大学生に伝えてあげることで、より良い関係を築くことができるのではないかと思います。

通助では、地元神戸の地場産業を支える人びとのお話と同時に、マーケティングの勉強ができる「行ってきました」シリーズを連載中です、こちらもぜひご覧ください。
「行ってきました」シリーズ一覧

「地域活性」とは競争です。

その競争を勝ち抜くために意識すべきことを、マーケティングの視点を入れつつケーススタディにて考察しています。