奥三河つぐ高原グリーンツーリズム推進協議会は、食肉加工工場である「奥三河高原ジビエの森」の活用を昨年4月から開始しています。設楽町は、こういったジビエ資源を活用することによって、観光収入、販売利益を増加させることを狙っています。
ジビエ料理で地域活性化 奥三河つぐ高原GT推進協議会/経営向上へ/加工品の空揚げ/肉まん販売中(東日新聞)
http://www.tonichi.net/news/index.php?id=50268
ジビエの加工工場の建設は、国や自治体の助成金がつくようになって以来、非常に盛んに行われるようになっています。それゆえ、様々な場所でジビエが名物となっていることで、ジビエの珍しさ、その土地でしか食べられない感覚、というものが失われていっているといえるでしょう。
ジビエが珍しいものではなくなっているため、ジビエを食べられる状態にできれば周囲の地域と差別化できた時代は終わりました。これからは、周囲のジビエとどのように差別化するか、どのようにして消費者に選んでもらうか、ということが重要になってくるといえます。
例えばジビエを、「消費者がどのようなシチュエーションで消費するものとして定義するのか」、あるいは、「ジビエの消費を、どのようなコトと結びつけて販売するのか」ということを、考えて実践していく必要があるでしょう。
ここ数年、モノの販売において「コト売り」の重要性が指摘されています。地域の地場産業も、「どのようなコトを販売するのか」ということに関して、積極的に考えていく必要があります。ここを意識して、ジビエの資源化を行っていく必要があるでしょう。
地域産品や地域そのものの、「コト売り」については、以前この記事で紹介しています、こちらもご覧ください。
モノ売りからコト売りへ ~長期顧客を獲得したければ、感情的インセンティブを刺激すべし。
「地域活性」とは競争です。
その競争を勝ち抜くために意識すべきことを、マーケティングの視点を入れつつケーススタディにて考察しています。