ふるさと納税を行う理由は「ふるさとに貢献したいから」? アンケート調査公表

株式会社パートナーエージェントは、ふるさと納税に関する意識調査をインターネット上で2201人に実施し、調査結果を公表しました。ふるさと納税を利用する動機について尋ねたところ、「ふるさとに貢献したいから」「その自治体と縁のある人に喜んでほしいから」と約半数の人が答えたそうです。

ふるさと納税、利用者の半数は縁のある“ふるさと”に寄付していた!(産経新聞)
http://www.sankei.com/economy/news/151209/prl1512090089-n1.html

通助では、「ふるさと納税」を『流行』で終わらせない為に意識すべきことという記事の中で、ふるさと納税は納税者がその土地に対して愛着を持ってくれるように設計しなくてはならないことを述べました。この統計を利用すると、先述の記事での主張に対して「現状のふるさと納税がその自治体への愛着形成に貢献している!」という反論をすることができるかもしれません。しかし、そのように考えることは残念ながら早計ではないかと思います。

本調査の「ふるさと納税をする動機」の調査は、すべての項目に対して5段階の尺度で回答する形式のものであることに留意しなくてはなりません。大多数の人は「節税したいから」、「お礼の特産品・特典が欲しいから」のふたつの項目において、最上位の「非常に当てはまる」(前者が48.6%、後者が55.7%)を選択しています。択一の選択肢を提示すれば、この2つに最も強いニーズがあることは間違いないでしょう。

むしろ、「ふるさとに貢献している」という事実は「自分は節税したいからふるさと納税するんじゃなくて、ふるさとに貢献したいからやるんだ!」ということで、自分を納得させるための言説として流通しているのではないかと思いました。それが「ふるさと納税」が一大「通信販売サイト」になった理由なのではないかと思います。少なくともこれ以上の「通信販売化」はやめるべきだと考えます。

「地域活性」とは競争です。

その競争を勝ち抜くために意識すべきことを、マーケティングの視点を入れつつケーススタディにて考察しています。