廉売とは 【地域活性化用語集】


廉売
一般的な値段より安く販売することによって、顧客にとっての価値を高めようとする手法。
地域活性化の文脈では、移住に対して金銭的なインセンティブを付ける行為や、半額旅行券、プレミアム商品券などが廉売の一例といえるでしょう。


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解説

地域活性化を目指す手段として非常に多く用いられている、「安くすることによる価値の向上」を志した政策ですが、安易な利用は避けるべきであると考えています。

顧客にとっての価値は、以下の数式で表されます。

Value(価値) = Equity(ブランド力) / Price(値段)

この計算式は、価値を高めるためには、2通りのやり方があることを示しています。ひとつ目が「ブランド力を上げる」、ふたつ目が「値段を下げる」ということです。

値段を下げれば価値は上がります。しかし、それは顧客が「おっ安い!」と思う期間だけで、いずれはその安さに慣れられてしまいます。その時には、さらに大きく値下げしなければ価値を向上させることができなくなります。

長期的に顧客にとっての価値を上昇させるためには、「ブランドの持つ資産を増やす」という手法以外にありません。この部分に取り組まず、「安く販売する」ということばかりを行政・税金頼みで行っている地域活性化の取り組みは、これから難しい局面を迎えることになると思います。

より詳しく論じた記事はこちら!

【福島・宮城・岩手】旅行代金半額補助:止めるべきだねというお話(追記2箇所あり)


(安易な廉売政策を行うことに対して疑問を投げかけました。この記事の内容をより詳しく論じています。)

移住促進における経済的インセンティブの付加が危険な3つの理由


(移住促進を考える上では、より金銭的インセンティブの付与に危険性があると思います。詳しくはこちら。)

関連用語

Value = Equity / Price
顧客にとっての価値
顧客単価

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