外国人観光客のニーズ把握には外国語ガイドブックが参考になります

2月から3月にかけて中国人観光客による爆買いが話題になりました。そういったこともあってか、観光や地域活性化に関するニュースにおいても、外国人観光客を増やすことによる域内経済の活性化を目指す取り組み(例えば輪島市の取り組み成田空港の取り組み春日大社の取り組み)が盛んに報道されていたように感じました。

オンリーワンな魅力と外国人観光客

地方の人が目を向けようともしないものが、都市に住む人々から見ると、素晴らしいものである、といったことと同じように、外国人観光客から見ると素晴らしいものもまた、日本人には見えにくいものです。ですが外国人観光客のニーズを把握するためには、外国語で書かれたガイドブックを読むと仮説が立てやすいと思います。

日本人の評価はそこそこであるけれども、外国では高い評価を受けている例を挙げます。例えば台湾のガイドブック『四國 人人遊日本系列21』では四国の観光地を4章構成で説明しています。1県1章かと思いきや、なんと「松山・内子・大洲」「高知・桂浜・室戸」「中村・四万十・足摺」「徳島・高松・大歩危」と、日本人には想像もつかないような章構成になっています。台湾人の目線で魅力的な観光地が、日本人の目線と違うことに大いに気づかされます。

中村・四万十・足摺に対するニーズ

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台湾人にとって、魅力的な観光地として大きな扱いを受けている中村・四万十・足摺について詳しく見ていきます。
地域の魅力を星5つで表現しているガイドブックですが、それによると中村は山村の風景の素晴らしさが星5(本ガイド内で最高点)、食事の美味しさが星4(ガイド内でも上位)、お土産が星2(四国内では最低点)という評価になっています。地域の紹介文の中でも「風情を味わえる」「大自然」といった言葉が目立ちます。また。年間行事カレンダーでは「四万十川を観光するのに最適な時期」「中村で菜の花が美しい時期」「文旦が美味しい時期」まで情報が掲載されています。

このガイドブックを見て四万十地域に訪れる台湾人のニーズは「四万十川の風情を味わいたい」「美しい山村の風景を楽しみたい」「美味しい料理が食べたい」というものでしょう。こういったことを知っておけば、彼らに対してどのようにおもてなしを行えば、彼らが喜んでくれるかが分かりやすいでしょう。逆に今のままでは中村でお土産を買う台湾人観光客は少ないかもしれません。彼らが欲しいと思うお土産を考える必要があるでしょう。


本記事で説明してまいりました地域ブランドの育成に関係したものとして、本ブログの運営会社である株式会社ホジョセンでは、地域ブランド・地域ストーリー作りの課題について述べたレポートを発表しております。無料ダウンロードできますので、こちらもどうぞご覧ください。

地域ブランドの育成における課題〜企業におけるブランディングとの比較から〜

ポイント

  • 外国人観光客の地域ブランドイメージを理解するためには、海外の観光ガイドブックを読んでみるのも良いでしょう。
  • 地域ブランドのオンリーワン性を考えるとき、外国人観光客がこの土地に魅力を感じるかどうかも考えてみるといいでしょう。